父親に説得された。

diary | 2004年3月14日 16:41:48 | abex


午後3時くらいに父親から電話がきた。それから、約1時間も仕事を辞めて実家の会社で働けという説得をされた。

これはほぼ毎週毎日のように電話やメール、メッセンジャーで説得されていることだが、今日はめちゃくちゃむかついた。だから、会話の途中で電話を切ってやった。

こういうことと戦うことは、企業経営者の子供としての宿命なのかもと思ったこともあったが、私は私の人生を生きている以上、両親の下で働くことは断固拒否している。


父親は、自分の右腕同然に働いてきた幹部社員が辞めることになったため気が動転しているだけなのだろう。幹部社員が辞めるタイミングと時を同じくして事業を拡大するチャンスが巡ってきたことも身内を傍に置いておきたいと思う要因なのだろう。だが、事業を拡大するプロセスは今までも経験しているはずであり、幹部社員が辞めたくらいで揺らぐ組織ではないはず。

私が両親の下で働きたくない最大の理由は、「親子であること」なのだ。私自身は、大学で経営学を学んでおり、経営者になること自体は頭の片隅で思い描いていた小さな夢でもある。しかし、両親の下で働き、のちのち跡を継ぐことは嫌なのである。親子が同じ組織にいるということは、必ず何かしらの甘えが生じる。甘えは、企業に危機を及ぼし兼ねない要素である。何よりも”一社員”ではなく、”社長の娘”という目で見られてしまう。私は、それが子供の頃から嫌だった。だから、今も実家から遠く離れた東京に住んでいるし、両親の事業とはまったく関係の無い会社で働いている。

確かに、4人兄弟の中で経営に関することを一番仕込まれたのは私だと思う。弟たちは、まったくと言っていいほど仕込まれていない。上の弟は、意識のどこかには実家を継がなければならないとわかっているのだろうが、ゲームクリエーターになるという夢があり、その道を目指している以上、両親の事業を継ぐ気は無いのだろう。下の弟は、性格から見て甘えが一番出てしまうと思われるため継ぐことは難しいと思われる。妹は、看護学校に行っており経営の道には進まないだろう。

私の考えは、子供ではなく、親族または実力がある優秀な社員に継いでもらうのがベストだと思っている。両親には、何度も同じことを言っているがわかってもらえずにいる。私自身は、両親に出資してもらって起業すること自体もありえないのである。

だが、親は何もわかってはくれない。こんなに不自由なら、経営者の子供に生まれることは幸せなことではないと思う。サラリーマン家庭のほうが、どう考えても自由だろう。たしかに、実家の周辺に大卒の人は少ないし、大学に行かせてもらったことは感謝している。(まぁ、勉強したのは自分だけどね。)恵まれた環境ではあったと思う。(精神的にはかなり病んでたけどね。)

だからと言って、自分の残りの人生をなぜ両親や両親の会社のために生きなければならないのだろうか。

今の自分は、会社を辞めるかも知れない状況にあるし、他の会社に移ることも真剣に考えている。でも、どう考えても両親の会社で働くことは選択肢には無いのである。何万回説得されてもそれは変わらない。

なぜなら私には私という人間の意思があるから。